林洋ラン園 (取材掲載)


未経験者大歓迎!
冬の花 シンビジウム出荷作業スタッフ募集

 
林洋ラン園ではたらく

25年前に脱サラし、現在、榊野町で約1万株のシンビジウムを栽培する林秀幸さん、林如実さんご夫妻。栽培の面白さ・むずかしさ、現在、募集中のお仕事について、お話を伺いました。

ひさこ
お忙しい中、仕事場をいろいろと見せていただきありがとうございました。シンビジウムって出荷までに3年もかかるんですね。お二人が家業を継がれる時、花の種類は決まっていたわけですけれど、シンビジウムという花にどんな思いを持っているんですか?
12月から春先にかけて出荷を迎えるシンビジウム。写真は昨年撮影のもの。
秀幸さん

ウーム、いきなり難しい質問! 農業は割と安易な気持ちで始めたかな(苦笑)。高校も大学も家業を継ぐつもりで選んでなかったですしね。小さい頃から親の仕事の様子を観ていたし、親と一緒にやっていればすぐできるようになるぐらいに思ってました。なめてました、全然できなかった。その内におやじが森林組合の仕事都合で経営から離れることになり、技術が身についていないままにズルズルと時間が流れました。今、25年目、ようやく最近、自分の求める花のクオリティになってきたところです。面白くなってきたところ!

「毎年1回しか花は咲かない。だから僕はまだたった25回しか花を観ていない」と気取りのない柔和な表情で話す林秀幸さん。

不必要な脇芽を摘み取る芽かきに集中する林如実さん。この作業によって開花のタイミングや花の高さがそろい、鉢花としての美しさが決まる。

如実さん
私はどうやったらシンビジウムが売れるかということばかり考えてます。バブル経済期にランが人気となって大きな市場が立ち上がったのですが、私たちが就農した時はバブルはもう弾けて市場は右肩下がりが続いています。シンビジウムを一生懸命育てるだけではだめ。常に売り方を考えていく必要があります。
秀幸さん

需要と供給のバランスはあるものの、ニーズの大小が花の値段を決めると言っても言い過ぎではない。栽培にかかる経費や僕たちの努力を値段に反映していくことが難しいんです。だから、値段が僕たちの花の評価とみられてしまう。
ひさこ
趣向品である花の持つ優雅のイメージと違って厳しい世界ですね。
秀幸さん
そう。それに僕はナンバー1を目指したくなる性分で(笑)、大きな花には高い値がつくとなると挑戦したくなっちゃうんですね。でも寒い榊野町でそれを実現するには暖房費がかさむ。大きな花を創っても採算性がない。そんなこんなで花づくりにいろいろと悩んでいるとき、市場で働くある方に「林さんにしか創れない花がある。それを求めたらどうだい」と。その時、オンリー1という考え方も大切だなと気づいたわけです。
ひさこ
それって具体的にはどんな工夫をされているんですか?
秀幸さん
例えば20センチ鉢から18センチ鉢に変えました。花は小さくなりますが、創りやすくなって、新しい付加価値に挑戦できる。重量も1鉢4キロから3キロになるので、1ケース5鉢の合計は15キロ。これで僕たちは70歳になってもシンビジウムが出荷できます(笑)。また法人需要がメインでしたが個人需要にも注目して、ホームユースを刺激していきたい。
如実さん
最近は住宅環境がとてもよくなって室内も暖かくなっています。なので、買うときにつぼみを選べば花が咲くまで長く楽める、そんなことも伝えていきたいと思っています。

ひとつのビニールハウス内には約1500株。外にもシンビジウムが並んでいたが、気温が8度になる前にビニールハウスに運び込む必要がある。

ひさこ
そのアイデアが広まったら、たくさんの人にシンビジウムを楽しんでもらえそう。それに、70歳以降も見据えた働き方、人生に対して積極的で素敵です。お二人の間でそれに取り組むために心掛けていることは?
如実さん
私から答えていいですか! 彼を怒らせないこと!
ひさこ
えっ、どうやって?
如実さん
伝える必要のある重要なことは、心の中でリハーサルして、言葉を選んで伝えます。
秀幸さん
僕は、怒らないように努力してます!
ひさこ
えー!? そんなに(秀幸さんは)怒るんですか?
秀幸さん
いやあ、最近はずいぶんと減ったと思うんだけどなー。
如実さん
うーん・・・・・・、そうだね。そう言えばそうだね!
秀幸さん

ほらーっ、そうでしょ! 子どもが大学に行くため家から離れました。これからは二人仲良く過ごしていきたいと思ってます。

高校の同級生だった秀幸さんと如実さん。結婚して5年後に夫婦でシンビジウム栽培の道へ。以降、お互いの価値観や個性を認め合いながらの二人三脚。

ひさこ
忙しくてもいつも明るく働くお二人の様子が目に浮かびます!ところで、今回、募集の出荷作業や支柱立てですが、心構えや作業上のポイントは?
如実さん
「最初からできなくちゃ」と思わないこと! 慣れが必要な作業ですから、完璧を目指さないことが大切です。
秀幸さん
うん、そうですね。支柱たてはきれいにできるととても嬉しいから、作業に熱中してしまうと思うんですよ。でも理想が高いと気持ち的に追い込まれてしまうので、最初はやれなくて当たり前と思ってコツコツやってもらいたい。

頭を寄せ合い、慣れた手つきで、鉢から株を抜き出して芽を分けて植え替えをするベテランのパートのみなさん。和気あいあいとした雰囲気。

ひさこ
うまくいったときの達成感がすごいってことですね。
秀幸さん
毎年、手伝いに来てくれる80歳になる女性がいるんですね。「どうしてそんなに熱心にやってくれるの?」と聞いたことがあるんです。「だってきれいにできると嬉しいじゃない!」って。本当にありがたいです。
如実さん
あなた(秀幸さん)だって、毎年、花をみて、「きれいだよなー」って、すごくうれしそうよね。
面倒見のよい如実さんに遠慮なく頼って作業を覚えていくことが働き方のポイントです!
 
ひさこ
お二人の掛け合いはテンポがよくてずっと聞いていられます(笑)。オンリー1のシンビジウムづくり、応援しています。ありがとうございました!
 

 

文:ひさこ 写真・水野巧也

基本情報

会社名・事業所名有限会社林洋ラン園
代表者林 秀幸
住所〒444-2814 愛知県豊田市榊野町浮橋39-2
電話番号090-6070-9502
FAX番号0565-68-2330
メールアドレスhypnyo@hm10.aitai.ne.jp